鳥刺しを食べたあとに下痢・発熱が…それ、カンピロバクターかも?

COLUMN コラム

鳥刺しを食べたあとに下痢・発熱が…それ、カンピロバクターかも?

投稿日: 2025.09.14 更新日: 2025.09.12

先日ちょっとオシャレな居酒屋で「鳥刺し」が出てきて、「レアな鶏って美味しいよね~」なんて食べた翌日…。

なんか体調が変。お腹がギュルギュル痛くて、熱っぽい。まさかこれって食中毒!? って焦る方、実はけっこう多いんです。

東京新宿レナクリニックでも「鳥刺しを食べたあとから下痢と熱が続いてる…」という相談がちらほら。実はそれ、カンピロバクターという細菌による食中毒かもしれません。今回はその原因から自宅での対応、病院に行くべき症状まで、しっかり解説します!

 

目次

  1. 鳥刺しで下痢や発熱?カンピロバクターってどんな菌?
  2. 自宅でできる対処法と過ごし方のポイント
  3. 病院に行くべき症状とは?受診の目安と注意点

1. 鳥刺しで下痢や発熱?カンピロバクターってどんな菌?

鶏肉の刺身やタタキを食べたあとに、「下痢が続く」「38℃を超える発熱」「お腹がゴロゴロ鳴る」「吐き気がある」といった症状が出た場合、それはカンピロバクターという細菌による食中毒の可能性があります。

カンピロバクターは、鶏肉に多く存在する食中毒菌の一種。生の鶏肉、特に加熱が不十分な刺身やタタキ、鶏レバーなどから感染するケースが多いです。菌そのものは少量でも発症するため、「ちょっとしか食べてないから大丈夫」とは言い切れません。

潜伏期間はだいたい1〜7日(平均2〜3日)。つまり、食べた翌日から症状が出ることもあれば、数日たってから体調を崩すこともあるんです。

症状としては、

  • 水のような下痢(1日数回〜10回以上)

  • 発熱(38℃前後)

  • 強い腹痛や吐き気

  • 倦怠感や関節痛

などが見られます。また、稀にギラン・バレー症候群という神経障害を合併することも報告されています。

市販の下痢止めを使うことで悪化するケースもあるため、自己判断で薬を飲むのは避けるのが無難です。

2. 自宅でできる対処法と過ごし方のポイント

まず最優先は「脱水を防ぐ」こと。下痢や発熱があると、体の水分と電解質がどんどん失われます。放っておくと脱水症状に陥るため、経口補水液(OS-1など)やイオン飲料をこまめに摂取しましょう。

特に嘔吐がある場合は、飲み方にも工夫が必要です。無理に飲まず、吐き気がおさまったタイミングで少量ずつ(スプーン1杯ずつでもOK)ゆっくりと飲み進めてください。

 

食事は無理してとらなくてOK。食欲がない場合は、胃腸を休める意味でも絶食気味にして水分補給に専念するのが理想です。食欲が戻ってきたら、おかゆやうどんなど、消化の良いものから再開しましょう。

 

また、整腸剤や下痢止めは慎重に。カンピロバクターなどの感染性下痢症の場合、体内の菌を出そうとする防御反応なので、むやみに止めることで悪化することがあります。自己判断で薬を使うのは避けましょう。

お風呂やシャワーは、熱が高くなければOK。ただし、体力の消耗につながるため長湯は避けましょう。部屋を暖かくして、ゆっくりと安静に過ごすことが大切です。

3. 病院に行くべき症状とは?受診の目安と注意点

「体調が悪いけど、病院に行くほどかな…?」と迷うこと、ありますよね。でも次のような症状がある場合は、早めに受診することをおすすめします。

  • 下痢が1日に5回以上続く、または3日以上治らない

  • 38.5℃以上の高熱が2日以上続く

  • 水分がまったく摂れない、または飲んでもすぐに吐いてしまう

  • 血便が出る、あるいは便が黒くタール状になっている

  • 腹痛が強く、我慢できないほど

  • めまい・脱力感・立ちくらみなど脱水症状が疑われるとき

こうした症状が見られた場合、カンピロバクターによる重症化や、他の感染症・炎症性疾患の可能性もあります。特に乳幼児、高齢者、持病がある方は悪化しやすいため、早期対応が重要です。

また、仕事や学校がある場合、「食中毒って周囲にうつるの?」と心配される方も多いですが、カンピロバクターは便や汚染された手指を通じて感染が広がることもあります。家庭内感染や職場での感染を防ぐためにも、しっかりと手洗い・トイレ後の衛生管理を徹底しましょう。

迷ったときは、まずは医師に相談を。東京新宿RENACLINICでは、オンライン・対面どちらでも診療可能です。「なんか変だな」と思ったら、早めの受診が安心です。

まとめ

鳥刺しや鶏のタタキなど、生または加熱が不十分な鶏肉を食べたあとに発熱や下痢が起きた場合、それはカンピロバクターによる食中毒かもしれません。正しい水分補給と安静で改善するケースもありますが、症状が強い・長引く場合は医療機関での診断が大切です。自己判断での薬の使用は避けましょう。東京新宿レナクリニックでは、食中毒に関するご相談にも丁寧に対応しております。

 

監修医師   大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。 青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、 日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2024年東京新宿RENA CLINIC開院。

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