忙しくて時間のかかる入院や、大きな傷跡にちょっと抵抗がある… そんな方に朗報です!
「単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術」は、おへそにわずか2〜2.5cmほどの小さな切開を1ヶ所だけ行い、そこから胆嚢を取り出す新しい術式。
従来の腹腔鏡手術のように複数の傷が残らず、美容面でもとても優れているのが魅力です。さらに“早期退院”・“早期社会復帰”にもつながるので、忙しい現代人にはぴったり。
ここでは、この術式の特徴やメリット・注意点などを、わかりやすく解説していきます。
目次
- 単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術とは?仕組みと特徴
- メリット:美容・回復・痛みの負担を軽減
- 注意点・デメリット:技術的な課題や適応基準
- 手術の流れ:入院から退院まで
- 実際の成果と東京新宿レナクリニックでの取り組み
1. 単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術とは?仕組みと特徴
単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術(SILS:Single Incision Laparoscopic Surgery)は、おへその部分に約2〜2.5cmの切開を1か所だけ行い、そこから腹腔鏡や専用の手術器具を挿入して胆嚢を摘出する方法です。
従来の腹腔鏡手術では3〜4か所に小さな切開を行いますが、この術式では切開が1か所のみ。
さらにその傷がおへそのくぼみに隠れることで、術後にはほとんど傷跡が目立たないのが大きな特徴です。
見た目の美しさだけでなく、術後の痛みが少ない、回復が早いなどの利点も多く、患者さんの身体的・心理的負担の軽減にもつながっています。
ただし、全ての患者さんに適用できるわけではなく、胆嚢の状態や既往歴などを総合的に判断したうえで適応を決定する必要があります。
2. メリット:美容・回復・痛みの負担を軽減
この手術の一番のメリットは、やはり「傷が目立ちにくい」という点です。
切開は1か所、おへその中に隠れるように行うため、術後はほとんど傷跡が見えません。
これは特に若い女性や、美容面に配慮したい方にとって大きな安心材料となります。
また、切開が少ないことで術後の痛みも軽減されやすく、必要な鎮痛剤の量も抑えられる傾向があります。
結果として、術後の回復が早く、体への負担も少なくなります。
日常生活への早期復帰を希望される方には非常に適しています。
右の写真は当院で単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術を行った際の術後写真です。
傷口が目立ちづらく、一か所のみであることがお分かりいただけると思います。
3. 注意点・デメリット:技術的な課題や適応基準
単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術には多くのメリットがありますが、同時に注意すべき点も存在します。
まず、手術技術として非常に高度であるということ。1か所の小さな穴から複数の器具を挿入し、胆嚢を安全に摘出するには、経験豊富な医師の高度な技術が必要です。
操作空間が狭いため、器具が干渉しやすく、作業の難易度が高くなります。
また、炎症が強い胆嚢炎や癒着がある症例では、視野の確保が難しくなる場合があり、この術式が適さないケースもあります。
のため、すべての患者さんに単孔式が適応となるわけではなく、術前の画像診断や身体所見をもとに、慎重に術式を選択することが重要です。
術後においても、場合によっては複数ポート法や開腹手術への変更が必要になる可能性もゼロではありません。
東京新宿RENACLINICでは、こうした点を踏まえて安全第一を優先し、術前の説明と術式選択を丁寧に行っています。安心して手術を受けていただけるよう、万全の体制を整えております。
4. 手術の流れ:診察から術後フォローまで
東京新宿レナクリニックでは、単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術を日帰り手術として提供しています。術前・術後の流れは以下のようになります。
まずは外来診察で医師による問診・診察を行い、必要に応じて血液検査、腹部エコー、CT、MRCPなどの画像検査を実施します。胆嚢の状態や胆石・炎症の有無を総合的に確認し、単孔式での対応が可能かを慎重に判断します。
手術当日はご来院後、事前の説明に基づき準備を行い、全身麻酔下で手術を行います。おへそに約2〜2.5cmの小さな切開を1か所設け、そこから腹腔鏡と専用の器具を挿入。胆嚢を摘出した後、切開部を整容的に縫合し、術後の傷跡を非常に目立ちにくします。
術後は、院内で数時間の安静・経過観察を行ったのち、体調に問題がないことを確認しその日のうちにご帰宅いただけます。ほとんどの方が術後当日から歩行可能で、翌日以降は軽い日常生活への復帰も可能です(※術後数日は激しい運動や重い物を持つ動作は控えていただきます)。
さらに、術後の状態に応じて、数日以内に再診・フォローアップを実施します。不安な点や違和感があれば、いつでもご相談いただける体制を整えています。
5. 実際の成果と東京新宿レナクリニックでの取り組み
単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術は、患者さまの満足度が高いことが報告されています。特に、「術後の痛みが少ない」「早く日常生活に戻れた」「傷がほとんど分からない」といった評価が多く、従来の腹腔鏡手術からの移行を希望する方も増えています。
また、医療技術の進歩により、以前は困難とされていた症例にも対応可能なケースが増えてきました。これにより、より多くの患者さまがこの術式を選択できるようになってきています。
ただし、どんなに優れた術式でも「誰にでも安全にできる」わけではなく、術者の経験や設備、そして術後のサポート体制が重要になります。特に単孔式は、高度な技術と判断力を求められるため、医師の経験値が仕上がりや安全性に大きく影響します。
東京新宿レナクリニックでは、これまで多くの腹腔鏡手術を手がけてきた経験を活かし、単孔式においても確かな技術と万全の体制で対応しています。また、患者さまの生活スタイルやご希望に合わせ、術後のケアや仕事復帰のタイミングなどにも柔軟に対応しています。
「見た目も大切にしたい」「仕事を休まずに手術を受けたい」「短期間で回復したい」といった、現代のニーズに応える手術方法として、単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術は非常に有用です。
今後も患者さまの負担を最小限に抑え、安全性と質の高い医療を両立させるべく、日々取り組みを続けてまいります。
まとめ
単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術は、傷跡が目立たず、術後の痛みや回復時間が大幅に軽減されるというメリットを持つ、非常に先進的な手術方法です。高度な技術と適切な術前評価が必要ではありますが、日帰りで受けられる手術として、多くの患者さまのライフスタイルにフィットする選択肢となっています。
東京新宿レナクリニックでは、安心・安全を第一に、術前から術後まで一貫したサポート体制で、患者さま一人ひとりに最適な医療を提供しています。少しでも不安がある方は、お気軽にご相談ください。
監修医師 大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。 青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、 日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2024年東京新宿RENA CLINIC開院。