逆流性食道炎を予防するには? 〜胃からの逆流を防ぎ、快適な毎日を送るために〜
「なんか最近、胃がムカムカする…」「寝る前に食べたら胸やけが…」
そんな症状、もしかしたら“逆流性食道炎”かもしれません。
名前だけ聞くとちょっとこわいけど、実は生活習慣と深〜く関わってるんです。
今回は「逆流性食道炎ってなに?」「どうやったら予防できるの?」という疑問にお答えしていきます。
あなたの胃も、今日からちょっといたわってみませんか?
【目次】
- 逆流性食道炎とは?症状と原因を知ろう
- 食生活の見直しが第一歩
- 日常生活で気をつけたいこと
- ストレスと睡眠も大事なポイント
- 予防のためにできることを継続する
- まとめ
1.逆流性食道炎とは?症状と原因を知ろう
逆流性食道炎は、胃の中の胃酸や食べ物が食道へ逆流し、食道の粘膜を刺激・炎症させる病気です。
代表的な症状としては、「胸やけ」「喉のつかえ感」「酸っぱいものが上がってくる感じ(呑酸)」「慢性的な咳」「声がかすれる」などがあります。
症状が進行すると、食事を取ること自体がつらくなったり、生活の質が大きく下がってしまうこともあります。
主な原因は、 胃と食道の境目にある「下部食道括約筋」の働きが弱まり、胃の内容物が逆流しやすくなること。
加齢や肥満、妊娠、食べ過ぎ、姿勢の悪さなども影響します。
また、食べ物の種類やストレスなども症状の悪化に関与しているため、多角的なアプローチで予防・改善していくことが求められます。
この病気は生活習慣と密接に関係しているため、日々の習慣を少しずつ見直すことが、症状の予防や軽減に大きく役立ちます。
2.食生活の見直しが第一歩
逆流性食道炎の予防において最も重要なのが、食生活の改善です。
特に脂っこい食事や甘いもの、カフェイン、アルコール、炭酸飲料、チョコレート、トマト、柑橘類などは胃酸の分泌を促進したり、逆流を起こしやすくするため、
摂取を控えめにすることが勧められます。
また、食べすぎは胃の中の圧力を高め、逆流を誘発しやすくなるため、腹八分目を意識しましょう。
食後すぐに横になる習慣も逆流の原因となるため、食後は1〜2時間は横にならないことが望ましいです。
食事の時間も重要です。
夜遅くに食事をすると、寝ている間に逆流が起こりやすくなります。
できれば就寝の3時間前には食事を済ませておくことが理想です。
さらに、ゆっくり噛んで食べることで消化を助け、胃への負担を減らすことができます。
規則正しい食事のリズムと、胃にやさしい食品の選択が、逆流性食道炎の予防につながります。
3.日常生活で気をつけたいこと
逆流性食道炎の症状を防ぐためには、日常生活のちょっとした工夫も大切です。
まず注意したいのは姿勢です。
猫背や前かがみの姿勢は、胃を圧迫し、逆流を起こしやすくします。
特に食後の姿勢には注意が必要で、できるだけ背筋を伸ばして過ごすことが推奨されます。
また、体を締めつけるような服装も胃に圧をかけるため、ベルトやウエストゴムのきつい服装は避けるようにしましょう。
さらに、激しい運動やジャンプを伴う動きも、胃の内容物が食道に逆流しやすくなる原因になります。
軽いウォーキングやストレッチのような、負担の少ない運動を日常的に取り入れるのが理想です。
喫煙も逆流性食道炎を悪化させる要因のひとつです。
タバコは下部食道括約筋の働きを弱め、胃酸の逆流を促進させるため、禁煙を検討することも予防のひとつとなります。
生活の中で無理なく続けられる工夫を積み重ねることで、再発のリスクも減らすことができます。
4.ストレスと睡眠も大事なポイント
胃腸は精神的なストレスの影響を非常に受けやすい臓器です。
過度なストレスや緊張状態が続くと、自律神経のバランスが崩れ、胃酸の分泌が過剰になったり、消化機能が低下したりして、逆流性食道炎のリスクが高まります。
そのため、ストレスを溜め込まずに発散する工夫が必要です。
好きな音楽を聴く、軽い運動をする、ゆっくりお風呂に入る、趣味の時間を持つなど、自分に合ったリラックス法を見つけましょう。
また、睡眠の質も大きなカギとなります。
睡眠不足や不規則な睡眠は自律神経の乱れを引き起こし、胃の機能にも悪影響を与えます。
睡眠前のスマートフォンやカフェイン摂取を控えるなど、快眠のための環境を整えることも効果的です。
特に逆流を防ぐには、頭を少し高くして寝る姿勢も有効とされています。枕を工夫するなどして、就寝中の逆流を防ぎましょう。
5.予防のためにできることを継続する
逆流性食道炎の予防には、一時的な対処よりも「継続」が何よりも大切です。
例えば、症状が一度治まっても、生活習慣が元に戻ってしまえば再発するリスクは高まります。
だからこそ、日々の食生活、姿勢、ストレス対策を無理なく続けていくことがポイントです。
また、市販の胃薬などを自己判断で使う方もいますが、長期間の使用はかえって症状を悪化させることもあるため注意が必要です。
自己判断での薬の使用は避け、必要であれば医療機関で相談するのが安心です。
体調に敏感になりすぎる必要はありませんが、「いつもと違う」「同じ症状が何度も出る」と感じた場合は、早めの対応が自分の体を守る一歩になります。
予防の基本は、正しい知識を持ち、できることから少しずつ実践すること。
日常生活の中で「これならできそう」ということを習慣にしていきましょう。
6.まとめ
逆流性食道炎は、日々の生活習慣によって症状が現れたり悪化したりする病気です。
脂っこい食事を控える、姿勢を意識する、ストレスをためない、良質な睡眠を取るといった工夫が、予防のカギとなります。
特別なことをする必要はなく、 身近な生活の中で「続けられること」を積み重ねることが大切です。
監修医師 大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。 青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、 多くの病院、クリニックで消化器内視鏡・外科治療を習得後、
2024年東京新宿RENA CLINIC開院。