胃潰瘍の再発を防ぐ食べ方・避けたい食品・献立のコツ
「胃がキリキリ痛む」「空腹時や食後に違和感がある」そんなときに考えられるのが「胃潰瘍」。
治療には薬が有効ですが、実は「食事内容」も回復に大きな影響を与えます。
何を食べるべきか、逆に避けた方がいいものは何か、悩む方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、胃潰瘍の症状を悪化させないための食事の基本や、おすすめの食材・献立の工夫などを分かりやすく解説します。
目次
- 胃潰瘍とは?|症状と治療の基本知識
- 胃潰瘍と食事の関係|なぜ食べ方が大切なのか
- 胃潰瘍時のおすすめ食材と献立のコツ
- 食べてはいけない・避けるべき食品
- 回復期・再発防止のための生活習慣と注意点
1. 胃潰瘍とは?|症状と治療の基本知識
胃潰瘍とは、胃の粘膜がただれ、傷ついてしまう状態です。
主な原因は、胃酸の過剰分泌、ピロリ菌の感染、ストレス、喫煙、NSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)の使用などです。
典型的な症状は以下の通りです
- みぞおち周辺の痛み(空腹時・食後)
- 吐き気・食欲不振
- 胃の張り・げっぷ
- 重症化での吐血や黒色便
治療は、原因に応じて胃酸を抑える薬(PPIやH2ブロッカー)や、ピロリ菌除菌療法が用いられます。
ただし、薬だけでなく、胃に優しい生活習慣と食事の見直しが回復・再発予防のカギとなります。
2. 胃潰瘍と食事の関係|なぜ食べ方が大切なのか
胃潰瘍では、食事が直接「刺激」として胃に作用するため、何をどう食べるかがとても重要です。
傷ついた胃粘膜を保護し、修復を助ける食事を心がけることで、症状の緩和・回復を早める効果があります。
【食事が関与する理由】
- 空腹時は胃酸が胃を直接刺激するため、こまめな食事が推奨される
- 繊維が多すぎたり硬い食材は、潰瘍部に物理的刺激を与えて悪化を招く
- 刺激の強い食材(香辛料、アルコール等)は胃酸分泌を促進し炎症を悪化させる
また、食事回数を増やして1回の量を減らす「分食」が推奨されます。食事は「治療の一環」として、症状に応じて柔軟に対応していくことが求められます。
3. 胃潰瘍時のおすすめ食材と献立のコツ
胃潰瘍の方におすすめの食事は「消化が良く、胃に優しいもの」です。以下のような食材・調理法を取り入れると安心です。
【おすすめの食材】
- 炭水化物:おかゆ、うどん、パン(焼かずに柔らかく)
- タンパク質:白身魚、鶏ささみ、豆腐、卵(半熟〜煮る)
- 野菜類:人参・大根・じゃがいもなどを柔らかく煮る
- 乳製品:牛乳・ヨーグルト(脂肪分が少ないタイプ)
【献立のコツ】
- 調理法は「煮る・蒸す・茹でる」が基本
- 味付けは薄めにして、塩分を控える
- 一度にたくさん食べず、少量を複数回に分ける「分食」スタイルが理想的
- 食後すぐに横になるのは避け、30分以上は座って過ごす
無理なく栄養を摂ることが大切です。東京新宿レナクリニックでは、個別の食生活指導も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
4. 食べてはいけない・避けるべき食品
胃潰瘍のときには、胃を刺激したり、症状を悪化させる可能性のある食品を避けることが重要です。以下は代表的な「避けたい食品」です。
【避けるべき食品】
- 香辛料:唐辛子、カレー粉、わさび、コショウなど
- 脂っこいもの:揚げ物、ベーコン、ラーメンなど
- 刺激性飲料:コーヒー、緑茶、炭酸飲料、アルコール
- 酸味の強い果物:オレンジ、グレープフルーツ、梅干しなど
- 粗い食物繊維:ごぼう、セロリ、こんにゃくなど(※加熱して柔らかくすればOK)
また、「早食い」「食後すぐに横になる」「過度な水分摂取」なども控えるべき習慣です。食事以外の生活習慣もあわせて見直すことで、より効果的な改善が期待できます。
5. 回復期・再発防止のための生活習慣と注意点
胃潰瘍は、症状が落ち着いた後も再発リスクがあるため、回復後の生活管理が非常に重要です。
【再発予防のポイント】
- 食生活の継続:一度症状が治まっても、急に元の食事に戻すのは避け、徐々に慣らしていく
- ストレス管理:胃潰瘍の大きな要因の一つ。睡眠・運動・趣味で自律神経を整える
- 禁煙・節酒:ニコチンとアルコールは胃粘膜の血流を低下させ、再発を促進
- 処方薬の継続:医師の指示がない限り、薬を自己判断で中止しない
- 定期的な受診・内視鏡検査:再発の早期発見に役立ちます
また、慢性胃炎やピロリ菌感染がある方は、再発リスクが高いため、専門医の継続的なフォローが重要です。
まとめ
胃潰瘍の食事は、ただ「優しいものを食べれば良い」というわけではなく、症状や回復の段階に応じて柔軟に工夫することが大切です。
食事の内容だけでなく、食べ方・生活習慣の見直しが、治療と再発予防に大きく関わってきます。
我慢せず、必要なときには専門医のアドバイスを取り入れながら進めることが最も効果的です。
東京新宿RENACLINICでは、栄養面も含めたトータルサポートを行っていますので、安心してご相談ください。
監修医師 大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。 青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、 日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2024年東京新宿RENA CLINIC開院。