「バレット食道とは?逆流性食道炎との違いもスッキリ解説!」
「バレット食道って聞いたことあるけど、普通の逆流性食道炎とどう違うの?」
そんな疑問をお持ちではありませんか?どちらも胃酸の逆流が原因ですが、症状や体への影響、将来のリスクには大きな違いがあります。
胃酸の刺激で食道の粘膜が“胃仕様”に変わるバレット食道は、食道がんのリスク上昇と関わる病態です。
今回は“バレット食道とは何か”“逆流性食道炎との違い”“診断・治療・予防法”を解説していきます!
目次
- バレット食道とは?粘膜変化のメカニズム
- 逆流性食道炎との主な違いと症状のポイント
- 診断・治療・フォローアップの流れ
- 生活習慣でできる予防とセルフケア
- まとめ:病気発見からケアまでの流れ
1. バレット食道とは?粘膜変化のメカニズム
バレット食道とは、本来食道にある「扁平上皮」が、慢性的な胃酸や胆汁の逆流にさらされることで、胃粘膜に似た「円柱上皮」に置き換わってしまう状態を指します。
この変化範囲が3cm未満をSSBE(ショートセグメント)、3cm以上をLSBE(ロングセグメント)と呼び、 変性が広いほどバレット腺がんのリスクが増加します。
日本人の99%はSSBEであり、LSBEに比べて発癌リスクは低いとされています。
ただし、欧米型食生活の影響で逆流性食道炎患者が増加し、それに伴いバレット食道の発生も増えつつあります。
扁平上皮の耐酸性が落ちると、炎症→修復→円柱上皮へという細胞変化が起こります。
これにより粘膜が胃に似た状態となり、結果として食道の“耐酸性防御”が弱まるという悪循環が生じます。
通常は無症状で、胸焼けや呑酸といった逆流性食道炎の症状と同時に見つかることがほとんどです。
2. 逆流性食道炎との主な違いと症状のポイント
逆流性食道炎は、胃酸が食道へ逆流し食道粘膜に炎症やびらんが生じる状態です。
症状としては「胸焼け」「呑酸(酸が上がる感じ)」「げっぷ」「胸痛」「喉の違和感」が多く見られます 。
一方、バレット食道は上記の逆流症状が続いた後、食道粘膜が円柱上皮に置き換わる段階を指し、粘膜構造の変化が特徴的です。
症状自体はほとんどありませんが、変性粘膜が広がるLSBEでは食道がんリスクが高く、発がん率は年率約0.3〜1.2%と報告されています 。
【主な違いまとめ】
逆流性食道炎:粘膜の炎症・びらん/症状あり/治療で改善可能
バレット食道:粘膜構造の変性/無症状が多い/定期観察が必要/がん化リスクあり
LSBEでは食道腺がんリスクが上昇し、日本においても増加傾向のため、定期的な胃カメラによる経過観察が必要となります 。
3. 診断・治療・フォローアップの流れ
バレット食道や逆流性食道炎の診断には必ず胃カメラ検査が必要です。
粘膜の色や状態を観察し、疑わしい場合は組織を採取して生検で詳細に判断されます 。
治療の柱は以下の通りです
- 胃酸抑制薬(PPIなど)による逆流性食道炎の悪化防止
- 生活習慣の改善:肥満解消、禁煙、あぶら・アルコール・香辛料控え、食後2〜3時間後の就寝、腹圧減
- 定期的な胃カメラ経過観察:おおむね1年ごとを目安に
粘膜そのものを正常に戻す治療法は今のところ確立されていません。そのため、逆流症のコントロールとがん発見の早期化が目的となります 。
東京新宿RENA CLINICでは、最新機器と専門医による胃カメラ・生検を実施し、個々の状態に合わせた治療プランと経過観察をご提案しています。
4. 生活習慣でできる予防とセルフケア
バレット食道や逆流性食道炎を予防・悪化させないために、日常からできることはたくさんあります。
① 食生活の改善
・脂肪分・香辛料・カフェイン・アルコールは控えめに
・ゆっくり食べて腹八分目にし、食後すぐ寝ない
② 生活リズムと姿勢
・肥満や便秘による腹圧の増加を避ける
・猫背を避け、胸を張る姿勢を意識
③ 禁煙とストレス対策
・喫煙は逆流の助長につながるため禁煙を推奨
・睡眠不足、ストレスは胃酸分泌を増やす傾向
これらの習慣改善は逆流性食道炎の症状軽減、バレット食道の進行抑制、再発予防にも効果があります。
5. まとめ:病気発見からケアまでの流れ
バレット食道は、逆流性食道炎が長期化して食道粘膜が胃仕様に変わる病態。
無症状で放置されることも多く、粘膜変性が進むLSBEでは食道腺がんリスクが年率0.3〜1%と高まります。診断には胃カメラが不可欠で、生検でがん化の有無を確認。
その後は胃酸抑制薬+生活習慣の改善+定期内視鏡フォローが基本です 。
早期発見と適切なケアが命を守る鍵です。東京新宿レナクリニックでは、胃カメラから生活指導、長期的な経過観察まで包括的にサポートしております。症状や不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
監修医師 大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。 青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、 日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2024年東京新宿RENA CLINIC開院。