便に血が混じる…大腸癌を見逃さないために知っておきたい3つのポイント

COLUMN コラム

便に血が混じる…大腸癌を見逃さないために知っておきたい3つのポイント

投稿日: 2025.11.15 更新日: 2025.11.11

トイレで便を流したとき、ふと気づいたら“便に血が混じってるかも…”

ただの痔、と思って放置していませんか?

確かに出血=必ずしも重い病気というわけではありません。ただし、「便に血が混じる」という症状は、実は大腸癌を含む重大な疾患のサインである可能性もあります。今回は、排便時の出血がどんなメカニズムで起こるか、見逃してはいけないサインとは何か、そしてどう対処すべきか、を解説します。ちょっとした違和感が大きな前兆かもしれません。早めに知っておくことで、安心につながる第一歩です。

 

目次

  1. 便に血が混じるってどういうこと?出血の種類と原因
  2. 出血=大腸癌?そのリスクと併発しやすい症状
  3. 出血があったらどうすれば?検査・受診のタイミング
  4. 日常でできる予防と注意したい生活習慣
  5. まとめ

1. 便に血が混じるってどういうこと?出血の種類と原因

便に血が混じるという症状は、かなり多くの人が経験する「トイレでの違和感」のひとつです。まず、便に血が出る原因としてよくあるものを整理しておきましょう。

出血の見え方と出血部位の関係

  • 鮮やかな赤い血が便の表面・トイレットペーパーについていた

肛門・直腸付近の出血が疑われます。例えば、痔核や裂肛(肛門裂)や直腸癌などです。

  • 便の中に赤黒い血が混ざっていた/便が暗めの赤色や黒っぽいタール状だった

出血部位がやや口側である可能性が高いです。たとえば、腫瘍やポリープ・腸炎など。

  • 見た目には血が見えないが、貧血・倦怠感が出てきた

これは「微量出血(隠れた出血)」の可能性があり、検査上で血が検出されるケースもあります。

原因の幅広さ

血便の原因は決して大腸癌だけではありません。実際には以下のような比較的軽いものから、重いものまで様々です。

  • 痔核、裂肛、肛門周囲炎など:出血量少・便が硬い・便後出血などの典型パターン。
  • 消化管の炎症(大腸炎、潰瘍性大腸炎・クローン病など)、憩室出血、ポリープなど。
  • 大腸癌(結腸・直腸がん)や肉腫、腸管出血性病変。
  • 稀に上部消化管出血による混じり血(ただし通常は黒っぽいタール便になる)など。

重要なのは、便に血が出ても“たぶん痔だろう”で済ませないこと。特に「便に血が混じる・血液の量・色・頻度・他症状の有無」には注意が必要です。
これらを踏まえ、次は「出血=大腸がんかも?」という観点で、リスクとチェックすべきポイントを見ていきましょう。

2. 出血=大腸癌?そのリスクと併発しやすい症状

「便に血が混じる」=すぐ大腸癌、というわけではありませんが、少なくとも「見逃してはいけないサインである」ということは間違いありません。ここでは、出血と大腸癌の関係、そのリスクを上げる条件、そして併発しやすい症状を整理します。

出血と大腸癌の関係

大腸癌は、初期には目立った症状を出さないことが非常に多く、進行してからやっと「血便」「下痢・便秘などの排便習慣の変化」「体重減少・貧血」などに気づくことがあります。 また、出血が“便に混じる”タイプや、血の色が濃い・黒っぽいという場合には、より注意が必要とされています。 

リスクを上げる条件

便に血が混じる状況で、「特に注意した方がいいリスク条件」は次の通りです。

  • 年齢:50歳以上
  • 家族歴:直系家族に大腸癌やポリープの既往がある。
  • 既往歴:大腸ポリープ摘出歴、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)、遺伝性大腸がん症候群。
  • 生活習慣:高脂肪食・赤肉多摂取・低野菜・運動不足・喫煙・多量飲酒。

出血以外に気をつけたい併発症状

出血だけでなく、以下のような症状を伴っている場合は、さらに警戒度が上がります。

    • 排便習慣の変化(便秘→下痢、便が細くなった、残便感)
    • 体重減少・食欲低下、疲れやすさ(貧血)

 

  • 腹部違和感・痛み・頻尿・便に粘液や膿が混じる
  • 他の出血(貧血・鉄欠乏)による症状


 こうした症状が「血便」とセットである場合には、内視鏡検査や専門医受診の検討を早めるべきです。

3. 出血があったらどうすれば?検査・受診のタイミング

ここでは、出血があった場合の受診・検査の流れと、東京新宿レナクリニックでの考え方をご紹介します。

受診のタイミング:要注意のサイン

以下のような場合、早めの受診を考えてください。

  • 血便が 継続的に出る(数回ではなく、数週間~)
  • 血が便の中に 混じっている(出血が便と分離していない)
  • 肛門外の明らかな原因(痔・裂肛)が無い、または見えても症状に合わない
  • 排便習慣が変化した(便秘・下痢・便が細いなど)
  • 体重減少・貧血・疲れやすさ・腹部違和感などの症状が併発
  • 家族歴あり、炎症性腸疾患あり、ポリープの既往あり

検査の流れ

  1. 問診・日常生活・排便状況・家族歴・既往歴を事前問診にて伺います。
  2. 身体診察(腹部・直腸診・肛門部観察)を行います。
  3. 血便の原因を絞るため、まず非侵襲的検査(直腸鏡検査・血液検査)を行う場合もあります。
  4. 必要に応じて、 大腸内視鏡検査 をご案内します。これが最も確実にポリープ・がん・出血部位を確認可能です。
  5. 内視鏡で発見されたポリープの切除、生検、あるいはがんが疑われる場合はさらに精査(CT・血液腫瘍マーカーなど)へ進みます。
    このプロセスを、東京新宿レナクリニックでは患者様の負担をできるだけ軽くしながら丁寧にご案内いたします。

検査を受ける前の準備・注意点

  • 内視鏡前は腸の洗浄・絶食などの準備が必要ですので、日程に余裕を持ちましょう。
  • 検査中・検査後の合併症(まれに出血・穿孔など)はゼロではありませんが、経験豊富な施設であればリスクは極めて低いです。東京新宿レナクリニックでは安全管理を徹底しております。
  • 検査後のフォローも重要です。ポリープがあった方、またはがんがあった場合は経過観察・治療計画が必要です。
  • 精神的な不安・「出血=がんかも」という心配がある方も多いですが、早期発見すれば治療可能性は非常に高まります。

便に血が混じったとき、安易に「痔だろう」で済ませず、「念のため検査を」と考えることが安心につながります。東京新宿RENA CLINICでは、出血を含む消化器症状全般についても迅速に相談・検査できる体制を整えております。

4. 日常でできる予防と注意したい生活習慣

大腸癌・出血・便に血が混じるという状況を未然に防ぐためには、日頃からできることがあります。ここでは、日常生活で気をつけたいポイントをご紹介します。

食事と食習慣

  • 食物繊維を豊富に摂る(野菜・果物・全粒穀物)ことで腸内環境が整い、便通が安定しポリープ・がんのリスクが低くなるとされています。
  • 赤肉・加工肉の過剰摂取を控えること。世界保健機関も大腸がんのリスクとして指摘しています。
  • 過度なアルコール・喫煙は腸内の粘膜ダメージ・発がんリスクを高めるので、できれば控えめに。
  • 規則正しい食事・適切な水分摂取・便意を我慢しない習慣をつけましょう。

運動・体重管理

  • 適度な運動(ウォーキング・ジョギング・筋力運動)により、腸の蠕動が促され、便通改善・便中有害物質の滞留低減につながります。
  • 内臓脂肪・肥満は大腸がんリスクを上げる要因とされており、体重管理は不可欠です。

定期検診・スクリーニング

  • 無症状でも定期的な大腸がん検査(例えば便潜血検査・大腸内視鏡)を受けることが早期発見につながります。
  • 家族歴・炎症性腸疾患などのリスクがある人は、専門医と相談して検査開始年齢・頻度を決めておきましょう。

出血を見たら早めに対応

  • 便に血が混じる・出血が何度もある・便通の変化がある時には、「少し様子を見よう」ではなく「検査を受ける選択肢を持つ」ことが大切です。
  • 特に血が便と混ざっている・便の色が通常と違う・便が細くなった・体重減少・貧血などが併発している場合には、さらに警戒しましょう。

これらの予防・注意を毎日の生活で少しずつ実践することで、出血のサインを見逃さず、大腸癌・出血・便に血が混じるといった問題に対する備えができます。次はこのテーマのまとめです。

まとめ

「大腸癌・出血・便に血が混じる」というキーワードは、決して軽視してはいけないサインです。便に血が混じる原因は痔核や裂肛などであることも多いですが、本当に安心して良いかどうかを判断するには、出血の量・色・頻度・便通の変化・併発症状・家族歴・既往歴といった背景を丁寧に見ることが不可欠です。特に「血が便に混じっている」「便通が変化している」「体重が減った/貧血状態がある」などの時には、大腸癌の可能性も視野に入れて、専門医受診・大腸内視鏡検査を考えるべきです。日常生活では、食習慣・運動・定期検診でリスクを下げることも大切です。東京新宿RENA CLINICでは、血便を含む消化器症状の相談から検査・フォローまで、安心してご利用いただけます。気になる症状が続く場合には、ぜひお気軽にご来院ください。

監修医師   大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。 青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、 日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2024年東京新宿RENA CLINIC開院。

参考文献

  1. Jellema P., et al., Predicting colorectal cancer risk in patients with rectal bleeding. British Journal of General Practice.
  2. Benshams K., et al., Colorectal cancer pre-diagnostic symptoms are associated with anatomic cancer site. BMC Gastroenterology.
  3. Atkin W., et al., Colorectal Cancer — WHO Fact Sheet. World Health Organization.

 

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