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【クローン病とは】原因・症状・治療をわかりやすく解説

COLUMN コラム

【クローン病とは】原因・症状・治療をわかりやすく解説

最近、「クローン病」という言葉を耳にすることが増えてきました。

下痢や腹痛、体重減少などの症状が長く続いている方の中には、「もしかして自分も…」と不安に思っている方も多いのではないでしょうか。

クローン病は、消化管に慢性的な炎症が起こる病気で、完治が難しい分、早期の診断と継続的な治療がとても大切です。

この記事では、クローン病の基礎知識から、症状、診断、治療、そして日常生活で気をつけたいポイントまで、東京新宿RENACLINICがわかりやすく解説します。

 

目次

  1. クローン病とは?──どんな病気かとその原因
  2. クローン病の代表的な症状
  3. 診断までの流れと検査方法
  4. 治療方法と最近の選択肢
  5. 日常生活で気をつけるポイント

 

1. クローン病とは?──どんな病気かとその原因

クローン病は、口から肛門までの消化管のどこにでも炎症を引き起こす慢性疾患です。特に小腸(回腸末端)や大腸に多く見られます。

潰瘍性大腸炎と同じ「炎症性腸疾患(IBD)」に分類されており、若年層に多く、10代〜30代に発症することが多いのが特徴です。

 

この病気の特徴のひとつは「スキップリージョン」と呼ばれる、病変が飛び飛びに現れる性質です。

また、炎症が消化管の深部まで進行しやすく、潰瘍や瘻孔、狭窄などの合併症を引き起こすこともあります。

 

原因はまだ完全には解明されていませんが、遺伝、免疫異常、腸内細菌バランスの崩れ、食生活やストレス、喫煙などの環境因子が複雑に絡み合って発症すると考えられています。

特に欧米型の高脂肪・高糖質な食事や、たばこを吸う習慣はリスク要因として知られています。

 

また、指定難病にも認定されており、医療費助成の対象になる場合もあります。

初期は風邪のような軽い体調不良と誤認されやすいため、放置せず、適切な医療機関での早期診断が重要です。

2. クローン病の代表的な症状

クローン病の症状は多岐にわたり、個人差も大きく現れます。代表的な症状は以下のとおりです。

  • 慢性的な腹痛
  • 水様性の下痢(1日数回〜10回以上)
  • 発熱(微熱が続くことも)
  • 体重減少
  • 食欲不振
  • 貧血、倦怠感

また、クローン病は全身に影響を与えることもあり、関節炎、皮膚炎、口内炎、目の炎症(虹彩炎など)、肛門周囲の病変(痔瘻や膿瘍)など、消化器以外の症状が出ることも珍しくありません。病気の経過は「再燃」と「寛解」を繰り返すのが特徴です。再燃期には症状が悪化し、寛解期には一時的に落ち着きます。

この波をいかにコントロールするかが、治療の大きな目的となります。

重症化すると、腸の狭窄や穿孔、腸閉塞といった合併症が起きることもあり、時には手術が必要になることもあります。したがって、症状が出始めた段階での対応が極めて重要です。

3. 診断までの流れと検査方法

クローン病の診断は、問診から始まり、複数の検査を組み合わせて総合的に行われます。

まず、問診では腹痛や下痢の頻度、便の性状、過去の病歴、家族歴、体重の変化などを詳しく確認します。その上で、以下のような検査を進めていきます。

  • 血液検査(炎症反応や貧血の有無をチェック)
  • 便培養検査(感染性疾患の除外)
  • 内視鏡検査(大腸カメラや胃カメラ、小腸カプセル内視鏡など)
  • CTやMRIなどの画像検査
  • 組織検査(内視鏡で採取した粘膜の生検)

とくに小腸の病変は大腸カメラでは確認できないため、カプセル内視鏡や小腸造影検査が必要になります。クローン病と診断されるには、これらの検査をもとに、他の病気(感染症、がん、潰瘍性大腸炎など)との鑑別が行われる必要があります。確定診断には時間がかかることもありますが、早期の判断がその後の治療に大きな影響を与えます。

 

東京新宿レナクリニックでは、最新の内視鏡機器と豊富な臨床経験を活かし、早期診断と精密な検査体制を整えています。

東京新宿RENACLINICでは、患者さまの不安に寄り添いながら、正確な診断と迅速な対応を行っています。

4. 治療方法と最近の選択肢

クローン病の治療は「寛解導入」と「寛解維持」を目的とし、個々の病状や部位に応じて、段階的に治療方針が立てられます。主な治療方法は以下の通りです。

  • 5-ASA製剤(軽症〜中等症の治療に使用)
  • ステロイド(中〜重症の寛解導入に使用)
  • 免疫調節薬(アザチオプリンなど)
  • 生物学的製剤(抗TNF-α抗体、抗IL-12/23抗体など)
  • JAK阻害薬(新しい治療薬として期待される)

 

これらの薬剤を組み合わせて、個人の状態に合わせた治療が行われます。特に生物学的製剤は近年、クローン病治療において重要な選択肢となっており、高い効果が期待できます。

また、食事療法も治療の一部です。腸への負担を減らすために、低脂肪・低残渣の食事を意識し、必要に応じて栄養補助食品を併用することもあります。

重症例では、経腸栄養や点滴による栄養補給が必要となることもあります。

手術は、腸閉塞や瘻孔、痔瘻などが起きた場合や、薬物治療が効果を示さなかった場合に選択されます。

手術後も再発の可能性があるため、術後管理が非常に重要です。

5. 日常生活で気をつけるポイント

クローン病と向き合ううえで、日常生活の工夫はとても大切です。症状を悪化させず、再燃を防ぐためのポイントをいくつかご紹介します。

① 食事管理
刺激物や脂っこいもの、食物繊維が多い食品は避け、低脂肪・低残渣の消化にやさしい食事を心がけましょう。症状が安定しているときでも、急に暴飲暴食をしないように注意が必要です。

② ストレスを避ける
ストレスは再燃の引き金になることがあります。無理をせず、リラックスできる時間を意識的に作ることも、治療の一環といえます。

③ 喫煙はNG
喫煙はクローン病の悪化に直結するといわれています。禁煙するだけでも病状が改善される例は多く、医師の強い勧めがある項目です。

④ 定期通院と検査
体調が安定していても、定期的な検査を行うことで、再燃の兆候を早期にキャッチすることが可能です。医師と一緒に管理していく姿勢がとても大切です。

⑤ サポート体制の活用
病気を一人で抱え込まず、医療チームとしっかり連携しながら治療に取り組みましょう。

まとめ

クローン病は、消化管全体に影響を及ぼす慢性炎症性疾患ですが、適切な治療と生活管理により、日常生活を続けることが可能な病気です。薬物療法・食事療法・ストレス管理・定期通院などをバランスよく取り入れることで、再燃を防ぎ、寛解を維持することができます。東京新宿RENACLINICでは、提携医療機関と連携しながら安心して長く付き合っていける医療を目指しています。

 

監修医師   大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。 青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、 日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2024年東京新宿RENA CLINIC開院。

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