初期胃癌は健康診断で見つかる?“見逃さないための検査ポイント”を医師が解説

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初期胃癌は健康診断で見つかる?“見逃さないための検査ポイント”を医師が解説

投稿日: 2025.11.18 更新日: 2025.11.17

「健康診断の結果で『胃に異常あり』と書かれていたけど、どうすればいいの?」「初期胃癌って、健康診断で本当に見つかるの?」

そう思ったことはありませんか?
胃癌は日本人に多いがんのひとつですが、初期のうちはほとんど自覚症状がありません。 そのため、健康診断や人間ドックなどの定期検査で早期に発見できるかどうかが、治療の分かれ道になります。
今回は、健康診断でどこまで胃癌がわかるのか、どんな検査で見逃さないようにできるのかを、わかりやすくお話しします。特に「初期胃癌」と「健康診断の検査項目」に注目して解説します。

 

目次

  1. 初期胃癌とは?症状が出ない“サイレントがん”
  2. 健康診断でわかる胃癌のサイン
  3. 胃カメラ検査でしかわからないこと
  4. 胃癌リスクを下げるための生活習慣
  5. まとめ

1. 初期胃癌とは?症状が出ない“サイレントがん”

初期胃癌とは、がんが胃の粘膜または粘膜下層までにとどまっている段階を指します。この段階では、リンパ節転移が起こっていないことが多く、内視鏡的治療で完治を目指せるケースも少なくありません。
しかし、問題は「ほとんど症状がない」ことです。初期胃癌の多くは、

  • 胃もたれ
  • 食欲不振
  • 軽い胃痛
  • なんとなくの不快感


といった“日常でもよくある”症状しか現れません。

そのため、本人が気づかないうちに病気が進行してしまうこともあります。厚生労働省の調査でも、早期胃癌の約6割は検診によって発見されたという報告があり、定期的な検査の重要性が示されています。

2. 健康診断でわかる胃癌のサイン

一般的な健康診断では、以下のような検査で胃の状態を確認します。

  • 胃透視(バリウム検査):胃の形や粘膜の凹凸をX線で確認する。
  • ピロリ菌検査:感染の有無を調べ、胃癌リスクを評価。
  • 便潜血検査:胃や腸からの微量出血を検出。

バリウム検査では胃癌の60〜80%程度を発見できるとされていましたが、微細な病変(初期胃癌)は見逃される可能性もあります。 特に早期のがんは平坦で小さいことが多く、X線では正常なシワに紛れて見落とされやすいのです。

また、健康診断の結果で「要精密検査」「異常の疑いあり」と書かれていた場合は、必ず放置せず内視鏡検査(胃カメラ)を受けることが大切です。

3. 胃カメラ検査でしかわからないこと

内視鏡検査では、カメラを使って直接胃の粘膜を観察できるため、わずか数ミリの病変でも確認できます。また、疑わしい部分があればその場で組織を採取(生検)し、がん細胞かどうかを正確に診断できます。

特に、NBI(狭帯域光観察)や拡大内視鏡といった最新技術により、微小ながんでも識別可能になってきています。これにより、切除範囲を最小限に抑えた治療が可能になります。

東京新宿レナクリニックでは、鎮静剤を用いた苦痛の少ない内視鏡検査にも対応しており、「眠っている間に終わる検査」を希望される方にも安心して受けていただけます。

4. 胃癌リスクを下げるための生活習慣

胃癌のリスクを減らすには、日常生活の中でできる予防も欠かせません。

ピロリ菌の除菌

ピロリ菌感染は胃癌の最大のリスク因子です。除菌治療によって、胃癌発症リスクを最大で70%以上減少させることが報告されています。

食生活の見直し

塩分の摂りすぎ、加工肉・喫煙・過度な飲酒はリスクを高めます。野菜・果物を多く摂る食生活が推奨されます。

定期検診の継続

1回の検査で「異常なし」と出ても油断は禁物です。ピロリ菌感染歴がある人や胃炎を指摘されたことがある人は、年1回の内視鏡検査が推奨されています。

早期に見つけることで、外科手術ではなく内視鏡治療のみで完治できる可能性が高まります。

5. まとめ

初期胃癌は自覚症状がほとんどなく、健康診断や定期的な検査でしか見つけることができません。 バリウム検査でもある程度の精度はありますが、確実に診断するには胃カメラ検査が必要です。
ピロリ菌感染の有無、食生活、生活習慣などを見直すことで、胃癌のリスクは大幅に減らすことができます。東京新宿レナクリニックでは、最新の内視鏡設備を導入し、鎮静剤を用いた苦痛の少ない検査を行っています。
「健診で異常を指摘された」「不安だけど検査が怖い」という方も、ぜひ一度ご相談ください。

 

監修医師   大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。 青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、 日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2024年東京新宿RENA CLINIC開院。

参考文献

  1. Correa P et al. “Helicobacter pylori and gastric carcinogenesis: A model for cancer prevention.” Nature Reviews Cancer, 2013.
  2. Hamashima C. “Benefits and harms of endoscopic screening for gastric cancer.” World Journal of Gastroenterology, 2016.
  3. Choi IJ et al. “Long-term effect of Helicobacter pylori eradication on the incidence of gastric cancer.” Gastroenterology, 2018.
  4. Yao K et al. “Magnifying endoscopy for diagnosing early gastric cancer.” Digestive Endoscopy, 2014.
  5. Miki K. “Gastric cancer screening using the serum pepsinogen test method.” Gastric Cancer, 2006.
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