痔の手術で迷ってる?“日帰り 手術 vs 入院”痔の手術の違いを丸ごと解説

COLUMN コラム

痔の手術で迷ってる?“日帰り 手術 vs 入院”痔の手術の違いを丸ごと解説

投稿日: 2025.11.12 更新日: 2025.11.11

「痔がひどくなって手術をすすめられたけど、『日帰りで帰れます』って言われたのと、『入院が必要です』って言われたのと、何が違うの?」そんな風に感じたことはありませんか?

実は、手術の方法や患者さんの状態によって、日帰りで帰れるものもあれば、数日間~数週間入院してしっかりケアする必要のあるものもあるんです。手術を受けるにあたって、「どちらが自分に合ってる?」「何を基準に選ぶ?」という疑問は当然。今回は、痔の手術における“日帰り手術”と“入院手術”の違いを、わかりやすく、かつ詳しくご紹介します。生活への影響・メリット・デメリットを知って、安心して手術を選べるようにしておきましょう。

東京新宿RENA CLINICで手術を検討される前に、まずはこのブログをご覧になってください。

 

目次

  1. 日帰り痔手術とは?メリット・条件・流れ
  2. 入院痔手術とは?どういう場合に入院が必要か、メリット・デメリット
  3. 日帰り vs 入院:どちらを選ぶべきか・判断基準
  4. 手術前後に知っておきたい準備・ケア・生活のポイント
  5. まとめ

1. 日帰り痔手術とは?メリット・条件・流れ

「日帰り手術」というのは、手術が終わったら、その日のうちに自宅へ帰宅できるタイプの手術を指します。痔に関して言えば、軽度〜中等度の痔核・裂肛・外痔核で、手術侵襲が比較的少なく、術後の管理・痛みコントロール・出血リスクが低めと判断された場合に日帰りで行われることがあります。

日帰り手術のメリット

  • 当日帰宅できるため、家で休める・施設滞在時間が短く済むため精神的・生活的負担が少ない。
  • 入院費用・施設利用料が抑えられることも。
  • 早く普段の生活に戻れる可能性が高い。

条件・対象となる人

  • 持病・合併症が少なく、術後管理・出血リスク・鎮痛管理が比較的容易と判断される方
  • 家に帰って安静をとれる環境・術後ケアが可能な状況にあること
  • 手術施設・術者が日帰り対応の経験があること

流れの一例

  1. 手術当日、来院・準備(術前説明・同意書・基本チェック)
  2. 痔核切除・血栓除去・裂肛修復などの手術を実施(局所麻酔または軽度の全身/鎮静併用)
  3. 術後回復室で安静・痛み・出血のチェック(数時間)
  4. 血圧・出血・痛みなどが安定していれば、帰宅可能と判断
  5. 帰宅後は自宅で安静、指定された鎮痛薬・食事・便通ケアを開始
  6. 術後フォロー・定期受診の案内

以上のように、日帰り手術は「最小限の滞在」「速やかな帰宅」といった利点がありますが、術後管理・適切な患者選定が重要です。次では、入院手術の側面をご紹介しましょう。

2. 入院痔手術とは?どういう場合に入院が必要か、メリット・デメリット

一方で、「入院手術」とは、通常手術後1泊以上(場合によって数日)の入院を伴う手術を指します。痔の手術において入院が選ばれるのは、手術の規模が大きい・重度の合併症リスクがある・術後管理が難しいと判断されるケースです。

入院手術が選ばれるケース

  • 出血が多い・出血リスクが高い・止血が要される状態
  • 合併症(血液疾患・抗凝固薬内服・心疾患・腎疾患など)があり、術後観察を要する場合
  • 術後に排便・痛み管理・出血・尿閉(術後排尿困難)などリスクが予想される場合
  • 手術施設・術式・患者背景などにより安全のため入院設定が適切と判断された場合

入院手術のメリット

  • 術後管理がしっかりできる:痛み・出血・排便状況・トイレ回数・水分摂取・食事状況を医療スタッフがモニタリング可能
  • 何かあった際(出血再開・尿閉・感染など)、即座に対応できる環境がある
  • 安静時間が確保されるため、回復に専念できる・早期トラブル発見がしやすい

デメリット・患者の視点から

  • 入院期間が延びる可能性があり、仕事・家事・日常に影響が出る
  • 入院費用・施設利用料・滞在負担が日帰りよりかなり大きくなる
  • 病院環境での回復となるため、自宅に比べ「自分のベッド/環境で休む」という意味ではややストレスを感じる方も
  • 術後動きが制限される時間が長めの場合があるため、術後生活再開にやや時間を要することも


このように、入院手術は「安全・確実な術後管理」が強みですが、患者さんの立場からは“滞在・期間・費用・生活制限”という負担も伴います。では、日帰り vs 入院、どちらを選ぶべきか?次節でその判断基準をご紹介します。

3. 日帰り vs 入院:どちらを選ぶべきか・判断基準

日帰り手術が可能か否か、また入院手術を選ぶべきか、という選択は「患者さんの状態」「痔の程度・手術内容」「術後管理の見通し」「家でのケア環境」「施設・術者の経験」など複数の観点から判断されます。東京新宿RENACLINICでは、以下のような観点で提案・相談を行っています。

判断ポイント1:痔の種類・程度・手術内容

  • 内痔核か外痔核か、脱出・嵌頓の有無、血栓化や出血量、合併症の有無を評価。
  • 軽度~中等度(例:突出少・脱出少・血栓化なし)であれば、日帰りが選択肢となることが多い。
  • 重度出血・広範囲合併がある場合は、入院による術後管理が推奨される。

判断ポイント2:患者さんの全身状態・合併症・生活状況

  • 高齢・心疾患・腎疾患・抗凝固薬内服などのリスク因子がある方は、入院対応が安全。
  • 自宅で安静・トイレ・排便管理・座浴が可能か、家族のサポート体制があるかも大事。

 

判断ポイント3:術後の痛み・出血・排便の見通し

  • 日帰りを選ぶなら、術後数時間で安定が見込まれ、帰宅後も適切に痛み・出血対応ができる体制が必要。
  • 入院を選ぶなら、術後数日間の観察・鎮痛管理・排便コントロールができる環境がある。

判断ポイント4:施設・術者の経験・設備

  • 日帰り手術を安全に行うためには、術者・施設が「日帰り・外来型痔手術」の経験を有していることが望ましい。
  • 入院手術の場合も、術後管理体制・患者ケア・入院環境が整っていることが重要。

実際の流れ・相談ポイント

  • 初診時に、症状(出血・痛み・脱出・排便状況)・既往歴・日常生活習慣を詳しく事前問診にて伺います。
  • 診察・肛門鏡・必要に応じて内視鏡・合併症チェックを行い、手術の必要性・手術方法・日帰りか入院かの案内をします。
  • 日帰りを選択した場合でも、術後の痛み・出血・自宅ケアなどを確認します。
  • 入院を選んだ場合は、入院施設へのご紹介をいたします。

 このように、日帰り/入院のどちらが自分に合っているかを、症状・体の状態・生活環境・施設状況を総合して判断することが大切です。

4. 手術前後に知っておきたい準備・ケア・生活のポイント

痔の手術を受ける際、前準備と術後ケアをしっかり行うことで経過がかなり良くなります。日帰りでも入院でも共通して持っておきたいポイントを整理します。

手術前の準備

  • 食物繊維・水分を意識し、便通をできるだけ整えておく。硬便・便秘傾向があると術後痛み・排便負担が増します。
  • ご自宅のトイレ(温水便座等)が整っているか確認。
  • 服用中の薬(抗凝固剤・抗血小板薬・NSAIDsなど)は担当医と相談。止める・代替を検討することがあります。
  • 術前説明をしっかり受ける:手術方法・麻酔・出血リスク・痛み・入院/帰宅後のケア。

術後ケアと生活のポイント

  • 排便を無理に我慢せず、便意を感じたら早めにトイレへ。便を柔らかく保つために食物繊維+水分+運動を継続。
  • 痛み・出血が少ないとはいえ、最初の便通は慎重に。便が出るまでにいきまず、ゆっくり通じる体制を整えましょう。
  • トイレ滞在時間を短めにする:長く座っていると肛門部血管に負荷がかかります。

 

日帰り・入院それぞれの注意点

  • 日帰り:帰宅後、自宅安静環境を確保。家族・過ごし方・便通確認を含めたフォロー体制を整えておきましょう。
  • 入院:入院期間中に痛み・出血・排便状況をモニタリング。退院後の自宅ケア・フォローアップを計画。退院時に自宅ケアの指導をきちんと受けること。


術前から術後までの一連の流れを理解し、準備・ケアを丁寧に行うことで、「日帰りだから不安」「入院だから面倒」という不安を軽減できます。手術をスムーズに、安心して受けるための重要なステップです。

まとめ

痔の手術において「日帰り手術」と「入院手術」には、それぞれメリット・デメリットがあり、「自分の痔の状態・全身・生活環境・施設の体制」に応じて選ぶべきものです。日帰り手術は生活負担が少ない反面、適切な症例選定・自宅ケアが必要です。入院手術は術後管理の安心感が高いですが、滞在・費用・生活への影響を伴う可能性があります。

手術前の準備・術後のケア・フォローアップまでをしっかり把握し、安心して手術を受けることが大切です。症状・環境・手術内容を確認して、担当医と納得のいく選択を。

東京新宿レナクリニックでは、日帰りの痔手術に対応し、患者様にとって最良の手術スタイルをご提案しています。お気軽にご相談ください。

  • 監修医師   大柄 貴寛
    国立弘前大学医学部 卒業。 青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、 日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2024年東京新宿RENA CLINIC開院。

参考文献

  1. Hetzer F., et al., Stapled vs Excision Hemorrhoidectomy: Long-term Results of a Prospective Randomized Trial. JAMA Surgery
  2. Nwabueze SA., et al., Comparison of the patients’ satisfaction after inpatient and outpatient operations for haemorrhoidal disease. Niger J Med
  3. Gupta A., et al., Ambulatory anorectal surgery under local anesthesia: safety, efficacy, and patient outcomes. IJMRP (International Journal of Medical Research & Practice)
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