胃がんと黒い便(タール便)はどんな色?原因と見分け方

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胃がんと黒い便(タール便)はどんな色?原因と見分け方

投稿日: 2026.02.25 更新日: 2026.01.16

「黒い便が出た…これってただの色の変化?それとも怖い病気?」と不安になる方は少なくありません。特に 胃がんでは便が黒くなることがあり、その色や状態は病気の診断において重要な手がかりになります。黒い便は一般的に「タール便」と呼ばれ、上部消化管(食道・胃・十二指腸)からの出血が便と混ざり、消化の過程で黒く変色したものです。この記事では、どんな色が黒い便なのか、なぜ黒く見えるのか、胃がんとの関連も含めて詳しく説明します。普段との便の違いに気づいたときの参考にしてください。

 

1. 黒い便(タール便)ってどんな色?

黒い便は医学用語で 「タール便」 と呼ばれます。これは便全体が 濃い黒色で、まるでタールや黒いインクのような色 をしているのが特徴です。普通の便は茶色ですが、タール便はより 深い黒色で光沢や粘り気があり、独特の強い臭い を持つことがあります。色だけでなく、便の質感や臭いが通常と違う点も黒い便を見分けるポイントです。真っ黒で粘り気がある便は、単なる色の違いではなく、体内のどこかで血液が消化されて便に混ざっている可能性が高いです。これは通常 消化管の上部(胃・食道・十二指腸)からの出血 を示し、その血液が消化酵素や胃酸と反応して黒く変色しているためです。

ただし全ての黒い便が病気によるものではありません。 色の濃い食べ物(黒いキャンディ、ブルーベリーなど)や鉄剤、特定の薬(ビスマス含有薬) でも便が黒くなることがあります。この場合は色が濃くても通常の便と同じ食感で、臭いも強くないケースが多いです。

2. 黒く見える仕組みは?

黒い便が現れる仕組みは、 血液が体内で消化・分解されることによる化学変化 にあります。胃や食道など上部消化管で出血があると、その血液が腸を通過する間に胃酸や消化酵素、腸内細菌によって分解され、鉄を含むヘモグロビンが酸化・化学変化を起こします。これが黒色化の主な原因です。このため、黒い便が出るということは 出血が胃や小腸の上部で起きている可能性が高い ことを示します。出血量がある程度まとまっている場合、血液が消化管を通過して変色し、黒く粘り気のある便として排泄されます。

黒い便は色の濃さだけでなく、粘性や臭いの強さでも特徴的です。多くの場合 普通の便よりも粘り気が強く、独特の強い臭い がします。これは血液が分解される過程で発生する化学物質が影響しているためです。

なお、偽性黒色便(色素や食品によるもの)は消化管での分解を伴いません。そのため、見た目が黒でも タール状の粘りや強い臭いがないことが多い という違いがあります。

3. 胃がんと黒い便の関係

黒い便は 必ずしも胃がんだけが原因というわけではありませんが、上部消化管からの出血を示す重要なサイン です。胃がんが進行すると腫瘍が粘膜や血管に侵入し、出血を起こすことがあります。この出血が通常の血液よりも消化管内で分解され、黒い便として現れます。

胃がんによる出血は比較的ゆっくり進行することがあり、 少量の出血でも黒い便として検出されることがあります。 そのため、黒い便が続く場合は胃潰瘍・胃炎・十二指腸潰瘍など他の原因だけでなく、胃がんの可能性も視野に入れる必要があります。

ただし、黒い便の色の違いだけで「胃がん」と断定することはできません。色や質感から出血の可能性を推測するのは有益ですが、 確定診断には内視鏡検査や組織検査が必要 になります。胃がんの場合、黒い便以外にも体重減少・食欲不振・持続する腹痛などの症状があることが多いです。東京新宿RENACLINICでは患者様それぞれに合わせた適切な治療をご提案しております。

4. 黒い便以外に気をつける症状

黒い便に加えて以下のような症状がある場合は、 上部消化管からの出血や深刻な病気を示唆する可能性が高まります

  • 体重減少や食欲不振
  • めまい・立ちくらみ(貧血のサイン)
  • 吐血や「コーヒーかす」のような吐物
  • 長引く腹痛や胸やけ・不快感
  • 倦怠感や疲れやすさ

これらの症状は黒い便とともに現れることで、出血の影響が体全体に及んでいる可能性を示しています。特に 吐血や黒い便が数日以上続く場合 は、緊急の評価が必要です。

また、黒い便が現れたときには 服用している薬(鉄剤・ビスマス製剤など)食品 も一緒に振り返ることが重要です。これらは一時的に便色を変えることがあり、実際の出血ではない場合があります。この点は医師との相談で早めに見分けることができます。

5. 受診が必要な色の便

一般的に、以下のような便の色・状態は 受診のサイン です

  • 真っ黒でタール状・強い臭いがする便
  • 黒い便が数日続く
  • 黒い便に加え血圧低下・めまい・動悸がある
  • 吐血や黒っぽい吐物がある

これらは上部消化管出血の可能性が高く、 放置すると貧血やショック状態にもつながるリスクがあります。 早めに医療機関での評価が重要です。

医療機関では便潜血検査・血液検査・内視鏡検査などを用い、出血の有無や部位、原因を正確に診断します。特に黒い便が続く場合は 胃カメラ(上部内視鏡検査) が有力な検査法で、胃や食道の状態を直接観察して原因を特定します。東京新宿レナクリニックでも迅速に胃内視鏡検査を行い、適切な治療を行っております。

まとめ

黒い便とは一般的に タール状で黒色・粘り気があり、強い臭いを伴う便 を指し、上部消化管からの出血が消化過程で変色した可能性があります。胃がんでも出血が起きることがあり、黒い便として現れることがありますが、色だけで診断はできません。色や質感、併発する症状をチェックし、継続する・特徴的な便色がある場合は早めに検査を受けることが大切です。

監修医師   大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。 青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、 日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2024年東京新宿RENA CLINIC開院。

参考文献

🔹 Melena (Black Stool): Causes & Treatment — Cleveland Clinic Editorial Staff, Cleveland Clinic Health Library
🔹 Melena: What It Is, Causes, Symptoms, Treatment, and More — Osmosis Editorial Team, Osmosis 

🔹 Black or Tarry Stool — MedlinePlus Medical Encyclopedia, U.S. National Library of Medicine

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