「黒い便(タール便)が出たら要注意?知っておきたい原因と対処法」
「あれ?便の色がいつもと違う…」そんな経験はありませんか?
特に黒い便が出ると、不安になる方も多いでしょう。
黒い便は、食事や薬の影響で一時的に起こることもありますが、時には重大な病気のサインであることも。
この記事では、黒い便の原因や見分け方、対処法について詳しく解説します。
健康管理の一環として、ぜひ参考にしてください。
目次
- 黒い便とは?正常な便との違い
- 黒い便の主な原因
- 注意が必要な症状と病気
- 受診のタイミングと検査方法
- 日常生活での予防と対策
1.黒い便とは?正常な便との違い
健康な便は、バナナ状で茶色から黄土色をしており、スムーズに排出されます。
一方、黒い便には様々な種類があり、特に注意が必要なのはドロドロとした真っ黒な便、いわゆるタール便です。
タール便はコールタールに似た粘性の高い便で、消化管からの出血を示唆する重要なサインです。
通常の便との最大の違いは、その色の濃さと質感にあります。
タール便は粘り気が強く、独特の臭いを伴い、便器の水に溶けにくく、トイレットペーパーにこびりつきやすい性質があります。
このような特徴的な性状は、上部消化管からの出血を示唆する重要な所見となります。
さらに、タール便は通常の便と比べて悪臭が強く、これも出血の存在を示す重要な特徴として挙げられます。
排便時の痛みや不快感を伴うこともあり、このような症状がある場合は特に注意が必要です。
また、タール便は複数回続くことがあり、その場合は継続的な出血の可能性も考えられます。
2.黒い便の主な原因
黒い便の原因は大きく分けて病気によるものと、日常生活によるものが存在します。
病気が原因の場合は早急な対応が求められます。
胃や十二指腸などの上部消化管で出血が起きると、血液が消化液と混ざり合って黒いタール便となって排出されます。
消化管からの出血は、様々な病気が引き起こす可能性があります。
早急な治療が必要なケースもあり、特に腹痛やめまいなどの症状を伴う場合は要注意です。
出血の量や場所によって症状の重症度も変化します。
一方で、食生活や服用している薬によって便が黒くなることは珍しくありません。
イカ墨や海藻類などの食材、鉄剤などの薬剤が主な原因となります。
真っ黒な便が出たときにもまずは慌てず、食べたものや使用した薬剤を思い返してみましょう。
思い当たるものがない場合には、お早めに医療機関にご相談ください。
3.注意が必要な症状と病気
黒い便以外にも以下のような症状を伴う場合には、特に注意が必要です。
みぞおちの痛み、腹痛、胃の痛み、発熱、吐き気、嘔吐、食欲低下、体重減少、食べ物がつかえる感じ、声がれ、咳などが挙げられます。
これらの症状がある場合、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、食道がん、胃がん、食道静脈瘤などの疾患が考えられます。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、ピロリ菌感染症、ストレス、非ステロイド性消炎鎮痛剤・ステロイド薬の使用などを原因とします。
食道がんや胃がんは、初期には明確な症状が現れにくいことが特徴です。
進行すると、腫瘍からの出血により黒いタール便が生じることがあります。
食道静脈瘤は、肝硬変の合併症として起こるケースが多く、破裂することで吐血、下血、そして下血に伴うタール便が見られます。
4.受診のタイミングと検査方法
黒い便が出た場合、特に以下のような症状がある場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。
腹痛やめまい、吐き気、嘔吐、食欲低下、体重減少、発熱などが挙げられます。
これらの症状がある場合、上部消化管からの出血が疑われます。
上部消化管の出血が疑われる場合、まずは胃カメラ検査を行います。
鎮静剤を使用して眠った状態で検査を終えることも可能です。
安心して東京新宿RENACLINICにご相談ください。
早期発見・早期治療により、多くの場合は改善が見込まれます。
5.日常生活での予防と対策
黒い便を予防するためには、日常生活での注意が重要です。
まず、食生活の改善が挙げられます。
バランスの良い食事を心がけ、過度なアルコール摂取や刺激物の摂取を控えることが大切です。
また、ストレスの軽減や十分な睡眠をとることも、消化器系の健康維持に役立ちます。
さらに、薬剤の使用にも注意が必要です。
非ステロイド性消炎鎮痛剤やステロイド薬の使用は、胃や十二指腸の粘膜を傷つける可能性がありますので、医師の指示に従って正しく使用しましょう。
定期的な健康診断や内視鏡検査を受けることで、早期に異常を発見し、適切な対応を取ることが可能です。
東京新宿RENACLINICでは、胃カメラ検査やピロリ菌検査など、消化器系の検査を行っております。
気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。
まとめ
黒い便は、食事や薬の影響で一時的に起こることもありますが、時には重大な病気のサインであることもあります。
特に、タール便のような粘性の高い黒い便が続く場合や、他の症状を伴う場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。
日常生活での予防や定期的な健康診断を通じて、消化器系の健康を維持しましょう。
監修医師 大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。 青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、 日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2024年東京新宿RENA CLINIC開院。