「胃がキリキリ痛い…これって胃痛?それとも逆流性食道炎?」
こんな疑問を抱えながら、なんとなく市販薬でごまかし続けている方は意外と多いものです。実は“胃痛”と“逆流性食道炎”は、症状が似ているようで原因も治療もまったく違う病気です。胸やけやゲップがあると逆流性食道炎っぽいし、みぞおちが痛いと胃痛にも思える…そんな曖昧な感覚のまま放置すると、症状がいつの間にか悪化してしまうこともあります。そこで今回は、胃痛と逆流性食道炎の違いをわかりやすく、実生活で活用できる形でお伝えします。「自分はどっち?」と気になっている方の判断材料として、ぜひ読んでみてください。
目次
- 胃痛とは?原因と特徴的な症状を解説
- 逆流性食道炎とは?症状の出方とメカニズム
- 胃痛と逆流性食道炎の違いと見分け方
- 自分はどっちの可能性が高い?タイプ別セルフチェック
- まとめ:症状の“クセ”を知ることが改善の第一歩。
1. 胃痛とは?原因と特徴的な症状を解説
胃痛とは、一般的に「みぞおち周辺の痛み」を指します。胃の粘膜が炎症を起こしたり、胃酸が過剰に分泌されたり、ストレスで胃が緊張したりすることで痛みが生じます。多くの場合、不規則な生活や食べすぎ、アルコール、ストレス、ピロリ菌感染などが関係しています。
胃痛の代表的な原因は 急性胃炎 と 慢性胃炎 の2つです。急性胃炎では“キリキリ・ズキズキ”する痛みが急に起こり、油物の食べすぎや刺激物の摂取、ストレスが引き金になることが多いです。一方、慢性胃炎は長期的な炎症で、特にピロリ菌感染が深く関わっていることがわかっています。
症状としては、
- みぞおちの痛み
- 胃の張り、膨満感
- 食欲不振
- 吐き気
- 胃もたれ
などがよく見られます。
また、ストレスが原因の胃痛も非常に多く、胃酸と自律神経のバランスが崩れることで痛みが生じます。忙しい時期やプレッシャーのかかる環境にいる方にとって、胃痛は身体からのSOSともいえるのです。
胃痛は放置しても自然に軽くなる場合もありますが、繰り返す場合や慢性的に続く場合は、早めの内視鏡検査が推奨されます。胃の炎症が悪化していたり、別の病気が隠れている可能性もあるためです。
胃痛が“いつものこと”になっている方こそ、一度しっかり状態を確認しておくことが大切です。
2. 逆流性食道炎とは?症状の出方とメカニズム
逆流性食道炎は、胃酸が食道へ逆流することで、食道の粘膜に炎症が起きる病気です。胃と食道は「下部食道括約筋」という筋肉で仕切られていますが、この力が弱くなったり食道への圧力が強くなったりすると、胃酸が上に上がってきてしまいます。
代表的な症状は、
- 胸やけ(胸のあたりが熱い・焼ける感じ)
- 酸っぱい液が上がってくる呑酸
- 食後や横になった時の不快感
- 咳が続く、喉の違和感
- ゲップが増える
などです。
逆流性食道炎は“痛み”というより、“熱い・ヒリヒリする”と表現されることが多く、胃ではなく胸や喉周辺に出る点が胃痛との大きな違いです。
原因としては、食べすぎ、肥満、加齢、猫背、早食い、刺激物、飲酒、喫煙など生活習慣が深く関わります。また、日本人は胃酸分泌が強くない人が多いと言われてきましたが、欧米化した食生活により逆流性食道炎は年々増加傾向です。
逆流が軽い段階では胸やけ程度ですが、放置すると食道びらんや慢性的な咳、声枯れに発展することもあります。治療は胃酸を抑える薬や生活習慣の改善が中心で、進行している場合は内視鏡で食道の状態を確認することが重要です。
胃痛と症状が混在する場合も多いため、「胸が熱い」「酸っぱいものが上がる」という特徴があれば逆流性食道炎を疑う必要があります。
3. 胃痛と逆流性食道炎の違いと見分け方
胃痛と逆流性食道炎は似ている部分もありますが、実は“症状の出方”に明確な差があります。ここでは、日常で判断しやすいポイントを整理します。
● 痛む場所の違い
- 胃痛:みぞおち周辺が痛む
- 逆流性食道炎:胸の中央〜喉の奥にかけて不快感
胃痛は胃の位置に一致しやすく、一方で逆流性食道炎はより上部で違和感を感じやすいのが特徴です。
● 痛みの種類
- 胃痛:キリキリ、ズキズキ、重い痛み
- 逆流性食道炎:ヒリヒリ、胸が焼けるような感じ
● 食後の変化
- 胃痛:食べすぎで悪化、空腹で痛むタイプも
- 逆流性食道炎:満腹時・横になると悪化しやすい
特に“横になると悪化する”“夜に胸が熱くなる”という人は逆流性食道炎の可能性が高いです。
● 併発する症状での判断
- ゲップが多い → 逆流性食道炎に多い
- 胃もたれ・食欲低下 → 胃痛(胃炎)に多い
- 酸っぱい液が上がる → 逆流性食道炎特有
● 自分で見分けるのが難しいケースも多い
胃痛の原因が胃酸過多の場合、胃酸が逆流しやすくなるため、胃痛と逆流性食道炎が同時に起きるケースも珍しくありません。また、ストレスで胃酸が乱れると両方の症状が重なることもあります。
正確に見分けるには、内視鏡検査で胃と食道の両方を見るのが最も確実です。
東京新宿RENACLINICでは、症状の違いを整理し、必要な人には内視鏡検査を提案しています。
4. 自分はどっちの可能性が高い?タイプ別セルフチェック
最後に、胃痛と逆流性食道炎のどちらが疑わしいかを判断するための簡単なチェック項目を紹介します。
● 胃痛の可能性が高いタイプ
- みぞおちが痛む
- 食べすぎると痛みやすい
- ストレスを感じると胃が重くなる
- 胃もたれや食欲不振が続いている
- 空腹時に痛みが出ることがある
- ピロリ菌が陽性もしくは治療歴がある
こうした症状が続く場合、胃炎や胃酸過多、慢性胃炎の可能性があります。
● 逆流性食道炎の可能性が高いタイプ

- 胸の中央が熱い・ヒリヒリする
- 酸っぱい液が上がってくる
- 食後すぐに横になると悪化
- ゲップが多い
- 声が枯れやすい、喉に違和感がある
- 夕食が遅い、早食い、大量に食べる習慣がある
これらは典型的な逆流性食道炎のサインです。
● 両方の可能性もある
胃酸が増えると胃痛と逆流症状が同時に起こることがあります。また、ストレスが強いと胃酸バランスが崩れ、胃痛と胸やけが交互に出ることもあります。
どちらの可能性が高いかは、症状の出方だけで判断するのは難しく、内視鏡を一度受けておくことで確実に原因を特定できます。特に長く続く胸やけや繰り返す胃痛は、生活の質を落とすだけでなく病気が進行している可能性もあるため、早めの相談が安心につながります。
まとめ
胃痛と逆流性食道炎は、症状が似ているように見えて原因も治療も異なる病気です。痛む場所、痛みの種類、食後の変化などを知ることで、ある程度は自己判断できますが、両方が同時に起こることもあり、症状だけでは判断できないケースも多くあります。特に胸やけが頻繁に起こる、みぞおちの痛みが数週間続く、食事で悪化するなどの特徴があれば、早めの相談が大切です。東京新宿レナクリニックでは、胃痛か逆流性食道炎か迷っている方に対し、症状の聞き取りと内視鏡検査による的確な診断を行っています。胃や胸の不快感が続く方は、ぜひ一度ご相談ください。
監修医師 大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。 青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、 日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2024年東京新宿RENA CLINIC開院。
参考文献
- Gastroesophageal Reflux Disease — Pathogenesis and Clinical Features
Vakil N, その他
New England Journal of Medicine - Helicobacter pylori Infection and Gastritis
Blaser MJ, その他
Gastroenterology - Global Burden of Gastritis and Functional Dyspepsia
Ford AC, その他
The Lancet Gastroenterology & Hepatology - Diagnosis and Treatment of GERD: A Clinical Review
Katz PO, その他
JAMA


